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富士通のイギリス郵便局冤罪事件の経緯をわかりやすく説明!原因は?

富士通 イギリス 冤罪事件

富士通が開発したイギリスの郵便局の会計システムによる、冤罪事件が今話題になっています。どのような冤罪事件がイギリスで起こったのでしょうか。経緯は約20年以上の長きにわたっています。

富士通といえば日本でも有名な企業ですが、その富士通とイギリスの郵便局がどう関わっているのか、冤罪事件が起こるまでに何が起こっていたのか、事態はとても深刻で複雑です。

富士通だけでなく、イギリスの郵便局を運営する会社もイギリスにある富士通UKという会社も関わっている事件です。

富士通のイギリス郵便局冤罪事件の経緯と原因をわかりやすくまとめてみました。

目次
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富士通のイギリス郵便局冤罪事件の経緯をわかりやすく説明

ことの発端は1999年にイギリス政府が全ての株を持っており、ほぼ政府機関といっても差支えのない「ポストオフィス」という郵便局(2012年に形だけは民営化された)と、「富士通UK」が共同で開発した会計システムを請け負う「ホライゾン」が納品されたことによります。

実はこのシステムにはバグが生じており正確に動かない欠陥品でした。

普通はバグを修正するのはIT企業では常識ですが、富士通ではシステムエンジニアを正社員として雇いたくないという体質があります。長期にわたると固定費がかさむため、外注に頼り、下請け、孫請け、ひ孫請けなどにふりわけていたため、バグが発生しやすい体質だったわけです。

そのバグのため、ホライゾンに記録された金額よりも窓口にある金額が少ないというトラブルがひんぱんに起き始めます。当初、まさか会計システムにバグがあるなどとは思わなかったため、不正経理や横領をしているのではと窃盗や詐欺の疑いが職員たちに向けられたのです。

この時点で当時のブレア首相(労働党)に報告を上げるも、無視され放置されました。当然ポストオフィスも富士通UKにも報告は上がっていたはずですが、同じく無視したのです。

結果、バグは起こり続け、バグの責任を罪もない郵便局員に15年以上なすりつけ続けた結果、900件以上の冤罪が起こり続けたのでした。

富士通のイギリス郵便局冤罪事件の原因は?

富士通のイギリス郵便局冤罪事件の原因は、ホライゾンのバグとそれを知っていたのに放置していた人間あるいは組織にありますが、2024年1月現在、具体的な人名や組織名は判明していません。また、ポストオフィスがもと政府機関であったことにも原因があります。検察のように人を起訴する権限を持っているのです。

ポストオフィスでは、罪を認めたら投獄はしないなどと司法取引を持ちかけたため、冤罪がさらに多くなりました。有罪破棄の手続きをすすめる方向で動いていますが、現在イギリスでは1件ずつしか上訴できない仕組みになっており、全ての冤罪を一度に有罪破棄とするには法改正が必要となります。

システムエラーの報告を受けたのに無視し続けた人間が複数いたことは確かです。2004年から2008年に社長を務めていたデイヴィッド・コートリー氏の口癖は「日本には言うな」でした。

当時国営であったポストオフィスは2009年にシステムエラーを指摘されましたが認めず、2019年にバグの存在を裁判所に認定されるまで放置し、この間に事態は最悪の状況へと悪化したようです。90年代後半からホライゾンの作成にかかわったエンジニアは、テスト段階当時から、うまく作動することもあったがほとんど作動しなかったと言っていました。

2024年1月16日、富士通UKのトップであるポールパターソン氏は「バグやエラーは珍しいことではないが、このエラーについては納入当初の1999年から把握していたが、情報共有はなぜかされなかった」と述べています。

日本富士通の現社長の時田隆仁氏も、17日現在「非常に深刻に受け止めている」と謝罪しましたが、実はこれまでにBBCの取材を6回断り続けてきました。補償についても道義的責任はあるとするものの、協力していくとのコメントにとどめています。

まとめ

この事件によって逮捕、起訴、投獄された人は900人以上にのぼりますが、投獄されなかったとしても、その後の人生が大きく狂わされたことを加害者たちは知っておくべきでしょう。

やってもいない横領の金額を埋めるために家を売らなければならなくなった、金額が間に合わず自己破産して破綻してしまった、子供が学校でいじめられるようになった、離婚した、前科がついたため再就職できずにホームレスになった、やってもいない罪を償って出所しても、横領していない金額のお金を返し続けるなど修復不可能なほどの大きな傷を無罪の郵便局員たちは負いました。

無実の罪で起訴された方は736人、牢屋に投獄された方は236人、有罪とされたまま亡くなった方は60人、自殺に追い込まれた方は4人です。どれだけの補償をすれば、責任をとったと言えるのか分からない程の傷の深さです。

見て見ないふりをしていた官僚や政治家にも大きな責任があると感じられます。選挙を控えている2024年現在、政治家たちは火消にやっきになっています。日本の富士通本社、富士通UK、ポストオフィスに責任があることは明白ですが、官僚や政治家も責任を負うべきで、責任の所在や法整備などクリーンにするのには時間が相当かかりそうです。

2024年現在、冤罪が晴れた人はたったの93人、補償条件に納得した人は3人しかいないといいます。1日も早く1人でも多くの人の補償がなされることを願います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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