ダイハツは17年連続で軽新車販売シェアトップを誇り、自動車メーカーの中でも身近な存在です。そんなダイハツが、25もの試験項目で不正していたことが明らかになりました。今や車は生活に欠かせないもの。ダイハツの不正に関するニュースは、他人事ではない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ダイハツの不正内容をわかりやすく解説。なぜ不正が起きたのか、どのような経緯をたどったのかをすべてお伝えします。
ダイハツの不正内容一覧
投稿者さん、ダイハツに期待してなさすぎ問題。
— きーぼ🍀@低燃費×車好き×年5万燃費向上法 (@nenpireducer) May 20, 2023
ダイハツから発表された新しい不正、内容は今まで一番悪質です | 自動車評論家 国沢光宏 https://t.co/EUFqQTayWr
第三者委員会による調査によって、ダイハツが25項目の試験で174個にも上る不正をしていたことが分かりました。
- 側面衝突試験
- ポール側面衝突試験
- オフセット前面衝突試験
- フルラップ前面衝突試験
- フルラップ前面衝突時の燃料漏れ試験
- 歩行者頭部および脚部保護試験
- 後面衝突試験
- ヘッドレスト(HR)衝撃試験
- ヘッドレスト(HR)静的試験
- シート慣性荷重試験
- 積み荷移動防止試験
- ヘッドフォーム(HF)インパクト試験
- とびら開放防止試験
- 座席ベルト試験
- ヒップポイント試験
- 車外騒音試験
- 近接排気騒音試験
- 制動装置試験
- ヘッドランプレベリング試験
- デフロスターによるデミスト試験
- デフロスターによるデフロスト試験
- 速度計試験
- インストルメントパネルの衝撃吸収試験
- 排出ガス・燃費試験
- 原動機車載出力認証試験
これらの不正行為が見つかったのは、ダイハツが自動車を作る際に必要な”お墨付き”を得るための型式認証業務です。これは、国土交通省が安全基準に適合している車かどうかを審査するもの。つまりダイハツは「この車は安全ですよ」というウソのデータを提出して、国をだましていたんです。
その結果、現在国内外で製造されているダイハツのすべてのモデルの出荷が一時停止されることが決まりました。今後は国土交通省をはじめ、各国の関係機関に報告し、協議の上で必要な対応を進めていくとしています。
【ダイハツ不正】わかりやすく説明
ダイハツ認証不正で初のリコール👀
— ぬくぬこ (@tdgK5GwuisGghLQ) January 24, 2024
32万台っていつ終わるんだろう
末端のディーラーや工場の人達大変だろうなぁ🐈 pic.twitter.com/oqvrl5uwXL
最初に見つかった不正行為は、海外向けの車の衝突試験でした。試験に使うサンプル車に市場に出回る完成車とは違う加工が加えられ、衝突試験を確実に通過させるように工夫されていました。さらに、「事実上安全に問題ないから法的にも大丈夫だろう」という勝手な判断もあったようです。
ダイハツはこの不正を深刻に受け止め、専門家による第三者委員会を設けました。その結果、なんと174個もの不正が判明。ダイハツ内部では「短期での開発が最優先」という風潮が強く、試験で一発合格するプレッシャーや過密スケジュールによるストレスがあったようです。短期開発の実現が優先され、各段階での遅れが最終的に「試験データの改ざん」として現れてしまったのです。
この不正行為はなんと1989年から始まっており、30年以上も続いていました。その間市場には何十万台ものダイハツ車が流通しており、自分の愛車に不正が絡んでいるかもしれない人はかなりいるでしょう。ダイハツは今回の問題を受け、全ての車の製造・出荷を中止しています。
また、ダイハツは他の自動車メーカーの生産も受託しており、不正行為が他のメーカーにも波及している状況です。
影響を受けたメーカー・車種数は以下のとおり。
- ダイハツブランド全車種
- トヨタの自動車22車種
- スバルの自動車9車種
- マツダの自動車2車種
特に国内最大手のトヨタは22車種と大きな影響が懸念され、今後大規模なリコールが行われるでしょう。ダイハツだけの問題ではなく、世界中の自動車業界に大きな衝撃を与えた問題だということが分かります。
まとめ
今回はダイハツの不正内容や、不正に至った経緯をわかりやすく説明しました。海外向けの車の試験で問題が浮上し、25項目の試験で174個もの不正が発覚。これが世界中の自動車業界に影響を与えています。
ダイハツの軽自動車は”国民車”とも言われるほど広く浸透し人気がありましたが、これまでの信頼が揺らぐ出来事でしたね。ダイハツのこれからの信頼回復に期待していきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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